いっぴつじ blog

日々のことをひつじが一筆かきます。

最近あった 叔父の【孤独死】

先日、私の母の18歳下の弟が

64歳で亡くなりました。

私の叔父になります。

他人事だと思っていましたが、
私の身内で起きたことを一筆書き残しておこうと思います。

身近で【孤独死】を知ることに

 

 叔父が亡くなったと聞かされ...

 

ある日、他県に住む母の親せきから、電話がきました。

それも、慌てている様子。

「うちに警察から電話があって、○○が亡くなったと聞かされた。」と。

それで、警察が身内の人と連絡が取りたいからということで、

母のところにも電話が。

 

叔父は、高校卒業と同時に親元を離れて、

他県の親せきが営んでいた建築関係の仕事に就きます。

あの頃は、景気も良く、忙しそうに働いていました。

 

お嫁さんを世話してもらって、

結婚して、家も新築で建てて、

娘3人に恵まれ、順風満帆にみえました。

 

とても、性格の優しい叔父でした。

子どもを叱るところを見たことなく、

いつもニコニコしてる顔しか覚えていません。

 

でも、何かが狂ってきたんでしょう。

子どもたちが小さいうちに、離婚してしまいます。

娘3人は、母親のほうへ。

 

そのうち、バブルも崩壊してからでしょうか。

勤めていた会社が倒産してしまいます。

家を売り、その地から離れ、転々としていたようです。

 

私が叔父に最後に会ったのは、

私の父が亡くなった時に来てくれた3年前です。

 

その時に、糖尿病を患っているとのことで、

前より痩せたなという印象でした。

それが最後です。

 

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叔父は、誰にも気付かれずに、アパートで一人亡くなる

 

いきさつはこうです。

 

アパートの家賃を2か月分滞納していたことで、

大家さんは叔父と連絡を取るが取れず、

警察に相談して警察立ち合いのもと、中に入ることにしました。

 

そこで見たものは、

免許証の顔と判別できないほど日数が経っていた遺体だったそうです。

免許証の写真と遺体の顔が確認できればよかったのですが、

それができなかったことで時間がかかることになります。

そこで、まず、身元確認となったのです。

 

  • 叔父は、本籍を親元から抜けて、家を建てた他県の住所にしていたので、実家がわからない。本籍である住所には、もう別の人が家を買って住んでいた。そして、今の住所は、また別の県だった。
  • アパートを契約した時の書類には、身元保証人を書くこともなく契約できたため、身内がわからない。ただ、緊急連絡時の電話番号が書いてあるだけ。
  • その緊急時の連作先が、姉である母でもなく、生まれ育った実家のほうでもなく、家を建てた近くに住む親せきの電話番号だったこと。

 

警察から連絡もらった親せきは、何十年も会っていなかったので、

最初理解できなかったといいます。

そこから、母に連絡が来て、

生まれ育った実家のほうにも連絡ができました。

 

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叔父の死因

 

警察は、まず事件性があるか調べます。

首を絞められたとか、暴行されたとか、それはなかったので事件性はないと。

 

すると、この時期だったので疑うのはコロナウイルス」です。

診察券から、かかっている病院に聞くと、

そこでは「コロナウイルス」の感染はでていないので、

その疑いもなくなりました。

 

病院によると、3月10日に来院して検査を受けていて、

次に来るのが3月25日になっていたそうです。

その25日には本人からの電話連絡で、

「身内に不幸があったので行けなくなった。」と告げたそうです。

実際、そんなことはなかったのですが。

どうも、そのあたりで亡くなってるんじゃないかということになります。

 

病院での検査結果を待たずに亡くなったわけですが、

病院によると、糖尿病の数値で正常な数値の100倍にあたる箇所があったそうです。

目も見えなくなっていたらしく、タクシーで来ていたそうです。

死因は、糖尿病からくるなにかしらの症状がでたことによるものだと。

 

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この死を受け止め、動かねばならない叔父の実家の人たち

 

警察が遺体を引き渡すには、身元確認ができないと渡せません。

DNA鑑定をすることになるのですが、男性は男性のDNAで鑑定するらしく、

私の母ではないそうです。

母達には兄がいたのですが、3年前に亡くなっています。

 

それで、一番近い血縁で男性となるとその兄の子どもになり、

生まれ育った実家の50代の甥っ子になります。

コロナウイルスで、他県をまたぐなという時期に、

その人は動かなければならなくなりました。

 

DNA鑑定の結果も1か月かかるとのことで、

それまでなにもこちらでは動けないことになるわけです。

 

しかし、ここで病院のレントゲンと検死したときの肺の部分で、

本人と確認ができると病院側が言われます。

それで、DNA鑑定の結果を待たずに、

警察も引き取っていいということになりました。

 

次に火葬をする所となるのですが、

これは、本籍がある所か住民票のある所になるんだそうです。

それで、火葬は住民票のあるところでしてもらいました。

 

やっと先週、お骨になり、生まれ育った家に帰って来れました。

私は、母と兄と3人で会いに行って来ました。

写真も最近のものはなくて、20年くらい前の法事の時の写真です。

笑っていて、いい写真でした。

 

娘3人は相続を放棄するということでした。

何十年も会っていなかったし、連絡も取っていなかったようです。

悲しいです。

 

甥っ子である私のいとこが、こちらにお骨を持って帰る前に、

元の奥さんと娘3人のところに寄って来たそうです。

 

その時に、家の中に入ることなく「玄関先のここで」と言われ、

手を合わせてそれだけだったそうです。

悲しいです。

血のつながりってそんなものなのでしょうか。

 

考えさせられます。

 

アパートのハウスクリーニング代

聞いて驚きましたが、あってないような金額なんですね。

向こうで、3つの業者から見積もりをしてもらったそうです。

 

アパートはワンルームなんですが、

80万円~、60万円~、25万円と見積もりだされて、

当然25万円の業者からしてもらいました。

 

死人が出ると、それだけで金額が跳ね上がるそうです。

入居するときに払う、

ハウスクリーニング代ではまかなえないようです。  

 掛けていた保険は医療保険のみで0円

医療保険に3つもかけていたそうでうですが、

死亡保険に入っていなくて、なにも出ないことに。

 

実家のほうは、

今回の件で100万円近くかかることになります。

 

アパートの滞納代、病院の治療費、ハウスクリーニング代、

交通費、相続放棄の手続き、これからの納骨やらもろもろで。

 叔父の死で思うこと

 

【叔父の死】で 思います。

人とつながらない生き方もいいですが、

迷惑をかけないようにというのもわかりますが、

結局死んだら一人ではあの世に歩いてはいけません。

誰かの手を借りることになります。

 

だったら、

たった一人でも自分のことを伝えられる人がいる人生でありたいと思う私です。

おじさんのこと、忘れないからね。

 

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