私の実家は、築84年になります。
こんなに暑い日でも、玄関開けて入ると、
外よりは何度か気温が低くて涼しく感じます。
母が、「今度、障子の張り替えするか!」
と言います。
「えーー、この家、建具多すぎ!」と私。
建具とは
昔の和風の家は、
とにかく建具が多いですよね。
茶の間と仏間があったりすると
襖(ふすま)が何枚にもなります。
実家も、玄関引き戸を開けて中に入りますが、
とにかく「建具」が多いです。
【建具(たて-ぐ)とは】
戸・障子・襖(ふすま)など、室を区切るために取り付けて開閉するもの。
障子:間仕切りとして、また窓や縁の内側などに立てる建具の総称。
襖(ふすま):建具の一種。木で骨を組み、両面から紙や布を貼ったもの。
引用元 : 広辞苑
ドアや窓のサッシも建具になります。
実家の建具が多すぎる!
私が生まれ育った家の話になりますが、
母が細々と店をしていますので、
時々は店の手伝いと掃除に行きます。
数えてみました。
店の玄関の引き戸を開けてから、
奥の台所に行くまでに、
開けて閉めてを2回とすると、
12回の動作をすることになります。
開けて閉めての繰り返しです。
1階の奥の部屋まで行くのに、
16回です。
昔、私の部屋は2階で店の上でしたが、
16回です。
▲2階はこの引き戸を開けてからになりますので、
まあ大変です。
「静かに閉めろ!」とよく怒られたものです。
私の亡くなった父は、
部屋を増やしてきた人です。
「人を呼ぶには、部屋がいる」
「俺がここまで築いたんだ!」
という気持ちだったそうです。
父に先見の明があって、
母が一人暮らしになることを予想できたなら
ここまでの部屋数にしなくてもよかったのに…。
私の兄の奥さんは、
「私たちの部屋にいくまでに、
16回も開け閉めするなんてありえない」と
愚痴を言ってたことがありました。
建具が多くていいことって?
夏は、30度超えになってくるとクーラーつけたところで、
広すぎることと隙間があったりして冷えない。
冬は、暖房のある部屋以外はもう"外”と同じです。
寒いです。
開け閉めが多い分、空気が逃げてます。
掃除が大変です。
障子の桟にほこりがたまるし。
障子の張替えを何年か前に、
けっこうな枚数張り替えました。
いやになりました。
壁がないから、家具を置く位置に困ります。
すりガラスとはいえ、
影がわかるのも気になります。
いいことってなんだろう。
春と秋は、建具を開け放しておけば、
家じゅう風が通って気持ちいい。
母は、開けて⇒閉めて⇒歩いての繰り返しが、
家の中で運動になっている、
といいます。
まあ、それならいいですが。
思うこと
今日も実家に行って来ましたが、
30度超えてくると、
母は母なりにクーラーと扇風機をつかって、
暑さをしのいでいました。
そもそも建具の開け閉め自体が暑い!
と思ってしまいます。
私が生まれ育った家ですが、
なんとも住みにくさを感じる家だなあと、
思います。
昔は、建具ブームがあったのでしょう。
考えてみれば、実家の向かいには建具店があって、
その隣にも建具店、4軒先にも建具店があります。
それだけ、昔は繁盛してたんですよね。
▲今日のお昼は、簡単に済ませました。
ポタージュスープにフランスパンを入れて、とろけるチーズをたっぷり投入、
冷凍してたパセリをかけて出来上がり。
食べながら、
今やってる3軒の建具店は、誰も子どもが受け継いでいないから、
もう今の代で終わるんだよなぁ…と考えてました。
まぁ、母の店も同じなのですが。
この先、障子は穴をあけないように、
そして建具も今の状態を保っていかなければと思います。